鑑 賞 室

巧妙な手順、きれいに浮かび上がる文字。
“一局で二度おいしい” あぶり出しならではの楽しさ、面白さを、じっくりとご覧ください。



※将棋盤右上の「発表」年月は、原則として結果発表月を表しています。



ワ−1 吉田 健氏作



掲載誌 詰パラ
出  題 1981年1月
結果発表 1981年4月

創棋会祝賀曲詰


ワ−2 谷口 均氏作



掲載誌 詰パラ
出  題 1988年9月
結果発表 1988年12月

谷川新名人慶祝詰将棋



    【 作者解説 】

 谷川新名人 祝賀曲詰。
 若島正、柳田明、岡田敏の諸氏と作った「タニガワ」のうちの1局。谷川名人復位の時は、1997.9月号、私1人で「タニガワ」を発表しました。
 本局5・6筋へ捨駒を続けて、最後は角成で詰上げる。詰将棋らしさは出ているか…?
 課題作の為、制限時間もあり、集中して一気に作り上げたと思います。曲詰では、特に駒捌きを重視する作家もいますが、私は短編専門なので、そのあたりは余り気にしないことにしています。

    【 発表誌解説 】

    担当:吉田 健
☆あぶり出しにも、当然、作風がカオを出す。短編を事とする習性としては、どうしても妙手を
 志向する傾向が強くなる。
須川卓二=一番曲詰らしくない作品。意外と考えた。
☆初手の54とから、3手目の53金がキラリと光る。続く62銀以下、玉方の銀を操る手順も見事。
 なお、43桂成のところ香成では、12手目44玉と、チョロリ逃げられてしまうので、ご用心。
堀越明文=金メダル。
山下  誠=金を先に使うのは、大盲点だった。
斎藤博久=63銀が気に入った。
片斧香哉=ワ、ワ、ワンダフル!
☆銀を誘導して来て、今度は成桂を53に捨てて収束。一種の繰り返しのパターンが手順にツヤ
 を与えている。
秋元節三=曲詰は偶然と思わせる程巧妙。




   
 
 

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