鑑 賞 室

巧妙な手順、きれいに浮かび上がる文字。
“一局で二度おいしい” あぶり出しならではの楽しさ、面白さを、じっくりとご覧ください。



※将棋盤右上の「発表」年月は、原則として結果発表月を表しています。



ラ−1 吉田 健氏作



掲載誌 詰パラ
出  題 1981年4月
結果発表 1981年7月

津村碁盤店CM曲詰




ラ−2 宮浦 忍氏作



掲載誌 詰パラ
出  題 1994年4月
結果発表 1994年7月




ラ−3 柴田 昭彦氏作



掲載誌 詰パラ
出  題 1996年4月
結果発表 1996年7月

浦野七段昇級昇段
祝賀曲詰




ラ−4 岡本 眞一郎氏作



掲載誌 詰棋めいと
出  題 1997年6月



    【 発表誌解説より 】

    担当:森田 銀杏
 8手目54玉は55銀、53玉、64金、62玉、63金、同玉、64銀以下
 12手目55玉は44銀、54玉、66桂まで

竹内久祐=持駒なしの炙り出しは解き易いが、57銀捨てなど巧手が続く。
千葉  肇=と金の群に突っ込む57銀が三ケ月間見えなかった。
田月伽弦=何時も馬が働いている。
吉松智明=変則合の妙防をウッ力りするところ。
桑原清作=攻防が良い。そして炙り出しの趣向。
天津包子=最後はアッサりだが、旨く出来とラ。63金の配置は巧い。
梅本拓男=曲詰らしい組み立て手順に歩合が入ったのは収穫。
秋元節三=次第に盛り上がり、ハッとするフィニッシュ、そして拍手。
久後生歩=いつもながらの鮮やかさに感心。何が出てくるのか期待感があって解くのが楽し
 い。
平松準一=捨て合はあるが、ほぼ一本道。
金子恒男=変化に乏しいが、まあまあの出来。
川口  優=ラの字の炙り出しだが、手順がもう少し…。
★合駒入りの曲詰というだけでも創作が困難なのに、よくも次々と捨て合入りが作れるものと感
 心します。いつ動くのかと思わせる63金を壁にしたこの詰上りも意外性があって面白い。作者
 としては水準の出来でしょう。


ラ−5 服部 彰夫氏作



掲載誌 詰パラ
出  題 2006年11月
結果発表 2007年2月




ラ−6 三輪 勝昭氏作



掲載誌 詰パラ
出  題 2011年9月
結果発表 2011年12月


    【 発表誌解説より 】

    解説 : 石黒誠一
作者−紛れ不足ではありますが、手順は爽快で気持ち良い作品と自負しています。9手目は75飛の方が飛馬角が働き最初は手が行くはずで、生きた紛れになっていると思います。
中沢照夫−期待どおりのあぶり出し。リラックスできる作品。
★この作者でこの初形ならば曲詰は確定。33〜88のラインが目に入るが、何の字が浮き出すだろうか?
★74あたりまで逃げられないように考えれば、導入はこんなところだが、さくっと龍を捨てて気持ちいい導入。55同玉となれば88角・77飛のバッテリーが火を噴く。
★作者の言葉にあるように、75飛の両王手がいかにも効率が良さそうに見えてしまうのだが、案外捕まらない。57飛とこちらの両王手は、ちょっと重い感じがしてやりにくそうだ。
★ここからは、57飛を軸にして自由自在な駒繰り。その飛をずばっと捨て、舞い踊った馬も捨て去る収束は秀逸で、あぶり出しの字がなかなか見えないのも良い。
★いかにも合駒が出そうな割に出ない、ある意味古風な曲詰だが、やはりこの爽快感は堪らない。お見事。
須川卓二−75の桂に目がくらんでちょっとだけ汗をかきました。
原田清実−いかにも曲詰で考えやすい。55角まで来ればあとは一気。
神谷薫−この収束は秀逸。手順全体のトーンにもまとまりがありよく出来ていると思う。
はやし−綺麗に詰め「ラ」れた。




   
 
 

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