鑑 賞 室

巧妙な手順、きれいに浮かび上がる文字。
“一局で二度おいしい” あぶり出しならではの楽しさ、面白さを、じっくりとご覧ください。



※将棋盤右上の「発表」年月は、原則として結果発表月を表しています。



コ−1 谷口 均氏作



掲載誌 詰パラ
出  題 1982年1月
結果発表 1982年5月

鶴田主幹慶祝曲詰
『孤愁の譜』第93番



    【 作者解説 】

故鶴田諸兄主幹 古希 祝賀曲詰。
故山本昭一、若島正、上田吉一、柴田昭彦、吉田健、故森田正司、岡田敏、故宇佐見正、川崎弘の諸氏と作った「コキ七十ツルタモロエ」のうちの一局。
序の合駒取りの後は、とにかく捨駒を続けたいと言う気持ちで必死に創作したようです。
10手目52玉は、25角以下早く詰む。


コ−2 駒谷 秀彦氏作



掲載誌 詰パラ
出  題 1988年1月
結果発表 1988年4月




コ−3 新ヶ江 幸弘氏作



掲載誌 詰パラ
出  題 1988年6月
結果発表 1988年9月

橋本哲・深井一伸両氏
結婚祝賀詰



        【 発表誌解説 】

     解説 新ヶ江幸弘
穂上武史―完璧。何も言いようがない。この凄まじいまでのエネルギーの源は怨念だとしか思えない。
田島秀男―収束でいっきに形をつくってしまう手順は異色。駒の効率もよく、まずは秀作。
佐々木浩二―連続移動合の合い間をぬって63歩を消すのが絶妙。
安中茂作―この一作のおかげでお祝いしてくれる人がだいぶ減りそう。53香成から45桂はやり辛い手。
内村誠之―これが飯尾氏が言うところの「虫が良すぎる」曲詰なんですね。本当にコの字になるのか心配になってしまいました。
★田島氏評にあるとおり、45桂からの3連打(捨駒ではない)で形を作るのが主眼という作品。当初の予定では53飛成という逆算で、全体の構図を広げて、詰上りが全く予想できない初形だったのですが余詰でパァ。
★63歩消去と桂の2段合は、本図のバリエーションとして別々にあったものを、旨く組み合わせることができたものです。
★63歩を消去するのですから、63銀成〜53香成は必然と作者は思っていたのですが案外そうでもないのですね。
某氏―解けないとは縁起がいい。
★うーん。


コ−4 柳原 裕司氏作



掲載誌 詰パラ
出  題 1991年5月
結果発表 1991年8月

相馬康幸氏結婚祝賀詰



    【 発表誌解説より 】

    担当:有吉 弘敏
作者=祝賀曲詰の見本として、最良の作品ではないだろうか。アハハ…。(рノよるコメント)
☆一手一手忠実に逆算したという雰囲気が出ています。捨駒主体の短編曲詰です。
新田道雄=とに角、捨てる捨てる。気持ちいいですね。
山口成夫=これが一番易しかったが駒が良く捌けて気持ちが良い。
亀井陽東=これが一番解きやすかった。
仲西哲男=44金から43角成が大英断。これだけ手数が短いのは何故?
☆44金、43角成と気前良く捨てるのは少し恐いですが、33飛と打ってしまうと局面が絞られて
 きます。
塚越良美=63銀生の所65銀としたくなる。
☆ここで、手拍子に65銀としてしまうと詰まないので、63銀と手を変えますが、なんとなくやりに
 くい手です。
☆本作は、一回の駒取りもなく、初手42飛の紛れや、8手目45玉の変化等旨くできていると思
 います。
阪口和男=愛がないのは失礼では。
村井謙二=少しあっさりしすぎか。
安中茂作=はは〜ん。つぶれたうちの一題はこれですネ。編集長。
☆違うと思います。
秋元節三=中段の壁は多忙のせいでしょうね。
☆今回他の4題が合駒入りでこってりしていたため、評も厳しいものが多かったようです。
 編集長には、次回の某氏(一体誰なのだろうか?)の時にがんばって頂くことにしましょう。


コ−5 水上 仁氏作



掲載誌 詰パラ
出  題 1992年10月
結果発表 1993年1月

谷川龍王結婚祝賀詰




コ−6 角 建逸氏作



掲載誌 詰パラ
出  題 1995年2月
結果発表 1995年5月

山村浩太郎氏結婚祝賀詰




コ−7 森本 哲司氏作



掲載誌 将棋世界
出  題 1996年7月



    【 作者感想 】

文字の曲詰の中では一番好み。どう逆算したのかは忘れたが、よく出来たと思う。収束は自画自賛。


コ−8 飯尾 晃氏作



掲載誌 詰パラ
出  題 1996年5月
結果発表 1996年9月

新ケ江幸弘氏結婚祝賀詰



    【 発表誌解説 】

     解説 角 建逸
★5月号出題時に、攻め方44とを脱落し、不詰でご迷惑をおかけしました。私の原稿誤記であり、弁解の余地はありません。解図を試みた全ての読者の皆様ならびに作者に深謝いたします。
平井康雄―何かの誤植だろうとは思ったが、まさか44との脱落とは思わなかった。収束も鮮やかだが、3手目79香と打てる形で76香の短打を実現させたのは素晴らしい。
松山秀樹―下段の香に力なし。
橋本茂紀―55成銀を64へ開くと、桂か香の合駒で不詰。
★作者によれば、一夜漬けの作とのことだが、どうしてどうして、その内容は実に濃いものがある。
★まず紛れ。3手目・7手目の香打ちは、中合を避けるための短打。また収束で打歩詰を打開する際、21手目64成銀だと、これまた中合で逃れるのも洒落ている。
★また変化も深い。4手目76同玉は、79飛、65玉、74角、64玉、46馬以下。6手目65玉は、75成銀、56玉、36飛、47玉、69角以下。大駒が存分に働いているのがおわかりいただけると思う。飯尾氏、会心の作品ではないか。
阿部健治―こういう高級品に対する誤植は罪が大きいですぞ。
★本当にゴメンナサイ。

   ※解説にある通り、発表時誤図により翌月再出題となったのは不運でしたが、本作の値打ちは不変です。

コ−9 濱田 博氏作



掲載誌 詰パラ
出  題 2002年4月
結果発表 2002年7月




コ−10 馬詰 恒司氏作



掲載誌 詰パラ
出  題 2005年10月
結果発表 2006年1月

柳田明氏結婚祝賀詰




コ−11 岡本 眞一郎氏作



掲載誌 将棋世界
出  題 2009年1月
結果発表 2009年2月



    【 発表誌解説 】

    担当:北浜健介七段
      不成+曲詰
 初手7五角が限定打。6六銀は4六銀打、5六玉、4七馬、同桂成、5七歩、同銀成、4五銀上以下早詰。2手目6六桂から6手目桂不成と打ち歩に誘導して抵抗も、5八飛が決め手。銀の進撃から透かし詰めで「コ」が完成。
 作者は打ち歩詰モノの大家で手順に不成が入っていることで有名。本作も限定合、不成、曲詰と内容充実の佳品です。




   
 
 

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