鑑 賞 室

巧妙な手順、きれいに浮かび上がる文字。
“一局で二度おいしい” あぶり出しならではの楽しさ、面白さを、じっくりとご覧ください。



※将棋盤右上の「発表」年月は、原則として結果発表月を表しています。



ロ−1 平井 康雄氏作



掲載誌 めいと
出  題 1994年12月

修正図



    【 全日本詰将棋連盟HP内『マイベストテン』の作者解説より 】

 発表時は66歩→66香で、13手目64香以下が作意でした。一応完全作として通っていたのですが、最近になって柿木将棋にあっさり潰されてしまいました。で、本図のように修正したら、何のことはない、普通の合駒が捨合に昇格して、前よりずっと味がよくなったではないですか! 「ケガの功名」とでも言うのでしょうが、何ともお恥ずかしい話です。


ロ−2 三輪 勝昭氏作



掲載誌 詰パラ
出  題 2009年11月
結果発表 2010年2月



    【 発表誌解説より 】

    解説 : 佐口盛人
作者−35金は見え見えですが曲詰にしては気持ちの良い両王手変化だと思います。
★作者の狙いは十分に伝わったようで好評ザクザクです。
須川卓二−両王手を変化にしまってあぶり出し。贅沢ですねぇ。
S S−両王手をちらつかせながら捨駒で枠組みを作っていく上手い構成。
馬屋原剛−3筋に壁を作っていくのが巧み。
田中悠一−前半は3筋に脱出防止の桂を築き後半は見事な大技の連続で口。首位。
★担当も首位予想でしたが、予想以上にダントツでした。
永島勝利−鮮やかに浮かび上がる口の字に口元が緩みます。
★こういう駄酒落を利かせた短評、いいですね。
小野寺達也−これを解いてあぶりだし特集と分かった。捨駒最高。
今川健一−連続する捨駒に感心? そんな時代昭和も遠くなりました。
中沢照夫−変化にも好手順あり。古典的なあぶり出だし。
★不成、中合など高度な技を入れるのが現代風だとすると、本作は古典的かもしれません。それでもA60評の高評価を頂いて、時代が変わっても捨駒の爽快感は変わらないということを本作が証明してくれました。捨駒は詰将棋の王道ですね。

     【変化】
  (イ)6手目 同玉は54飛成、同桂、44角成以下。
  (ロ)8手目 同玉は55飛成、24玉、51角成以下。




   
 
 

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