鑑 賞 室

巧妙な手順、きれいに浮かび上がる文字。
“一局で二度おいしい” あぶり出しならではの楽しさ、面白さを、じっくりとご覧ください。



※将棋盤右上の「発表」年月は、原則として結果発表月を表しています。



ケ−1 新ヶ江 幸弘氏作



掲載誌 詰パラ
出  題 1980年5月
結果発表 1980年9月

詰研会報50号記念曲詰




ケ−2 岡村 孝雄氏作



掲載誌 詰パラ
出  題 1988年1月
結果発表 1988年4月

半期賞



    【 全日本詰将棋連盟HP内『マイベストテン』の作者解説より 】

 時々「○○とは?」と考えてから創作を始めることがあります。当たり前のようなことでも改めて自分なりに答を出しておくと、本質に迫った創作ができ、作品の理想形も見つけやすいのではと思っています。
 本作では、まず「あぶり出し、とは何か?」という自問に「詰め上がりに字や模様が浮かぶさまを楽しむ詰将棋」と答えてみました。
 では、詰め上がりを楽しんでもらえるには……空中戦に傾倒していたこともあり、詰め上がりそのものに演出を加えることをまず考え、両王手連発の収束を得ました。
 あとはひたすら逆算ですが、飛が5筋に回るための伏線となる63銀不成、前もって両王手の舞台を囲んでおく44角、繋ぎの手とは言え玉方駒の利きに打ち込む55香と、妙手性のある捨駒で弛みなく組み立てることができて理想的な展開になったと思います。しかし創作直後の「熱い」頭は、さらに何か良い手が入らないか延々と考え続けていたのですから欲張りなものですね。
 担当・森長宏明「主要駒に思える銀消去の伏線からゆるみのない手順に洗練された変化と奇抜な収束。」
 榎本敏行「ケッ作。」
 阪口和男「今月のケッテイバン。」
 安中茂作「この収束で曲詰なら一級品でしょう。」
 田口正明「最後のアクロバットがかっこいい。」
 秋元節三「伏線手から連続両王手の詰上りを曲詰に盛込むとは大した園長だ。」
 西田尚史「珠玉の作品。詰碁の作品集「玄々碁経」にありそうなと思いました。」
 拙作中の代表格と言われる一局です。

 なお、短評中の「園長」とは、当時『詰将棋パラダイス』誌で「幼稚園」を担当していたことから。ちなみに詰パラには「詰将棋学校」というコーナーがあり、詰将棋の手数の長さごとの分類を「小学校」「中学校」……と学校になぞらえています。現実の中学生が「大学院」の解答に挑戦するのもOKですし、「小学校」に妙に大人びた(?)作品が出題されていることもあります(笑)。


ケ−3 相馬 康幸氏作



掲載誌 詰パラ
出  題 1988年6月
結果発表 1988年9月

橋本哲・深井一伸両氏
結婚祝賀詰




ケ−4 平井 康雄氏作



掲載誌 詰パラ
出  題 1992年10月
結果発表 1993年1月

谷川龍王結婚祝賀詰



    【 全日本詰将棋連盟HP内『マイベストテン』の作者解説より 】

谷川浩司プロの結婚祝賀詰の一つ。創棋会から強制的に創らされたものですが、喜んで挑戦させてもらいました。
全体の構図と収束は簡単にできたのですが、65の駒にどうやって意味付けするかで悩まされました。結果、駒取りを入れることで問題は解決。全体としては無難な仕上がりと思っています。
自分としては7作目の曲詰で、この作品の創作を通じて、何となく曲詰創作のノウハウがつかめたような気分になりました。それまでが全て合駒入りのカタカナだったもので、それならいっそのことカタカナ46文字を全部合駒入りで創ってみようではないか、と思い立つきっかけになった作品です。

なお、その後、46文字は一応全部完成したのですが、アとツが余詰で潰れて修正不能となっています。他に、単に字になるだけで出来が極端に悪い作品が10作ばかりあり、それらを全部創り直す必要があるのですが、今現在は情熱・気力が減退していて、保留状態です。いずれは挑戦してみるつもりですが、いつのことになるやら・・・・・


ケ−5 柳田 明氏作



掲載誌 詰パラ
出  題 1997年8月
結果発表 1997年11月




ケ−6 濱田 博氏作



掲載誌 詰パラ
出  題 2002年2月
結果発表 2002年5月






   
 
 

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