鑑 賞 室

巧妙な手順、きれいに浮かび上がる文字。
“一局で二度おいしい” あぶり出しならではの楽しさ、面白さを、じっくりとご覧ください。



※将棋盤右上の「発表」年月は、原則として結果発表月を表しています。



ネ−1 岡本 眞一郎氏作



掲載誌 詰パラ
出  題 1996年11月
結果発表 1997年2月



    【 発表誌解説より 】

    担当:安江久男
 2手目73金合は同馬、同香、55銀、同角、54金、65玉、55金、同玉、46龍、65玉、54銀生、同玉、45角以下。
 8手目66桂合は同香、同玉、57龍、65玉、67龍、66合(桂は売れ)、57桂以下。

谷岡里覧−選題の言葉はヒントでしたか。
詰 鬼 人 −ネ年に相応しい曲詰で、双玉も使いようによってはまだ開発分野が多くありそうで
 すね。
☆ある人が電話で「今年をネ年とはヒドイ誤植だ」そうでネえ、ちゅうだ。
☆「不成の岡本」が曲詰の連作を始めた。イロ八字詰48局を目指したものかと聞えば、そこま
 では未定とか。「ネ」の字、手順を追ってみれば、玉の行動範囲は狭い中心部に限られ、周囲
 の駒は玉をオリに囲う役割と知れる。飾り駒を排除するだけでも容易でない拡がりに、大きな
 世界(文字)を小さく使う、巧さと狡さと紙一重の構図の妙がある。
後藤元気−暗算で解いたので最初は気付かなかったけど盤に並べてビックリ!そのあと納
 得。
秋元節三−2手目合駒の変化を考えすぎて、逆王手の妙味をあやうく味わえなかったところ。
原田清実−逃げられそうな序盤も捨合の入る収束もいいですね。
☆のっけから厄介な合駒の読みだ。82角成は73合に74銀成、65玉、75成銀、54玉、72馬の含
 み。常識的な飛金合は、得たりと切られるので、73香上が75に利かせた軽妙な切返し。この
 移動合に始まり、単純合から狙いの捨合まで、異種合の競演は、灸り出すだけで難しい文字
 だけに見事なものだ。しかし、それでも解説子には、双玉図での46桂合成立に若干不満が残
 る。筋だけとれば、玉を置かずに実現できるからだ。
風みどり−桂を出すための双玉ですか。
平井康雄−どんな難しい字でも捨て合入りでまとめるとはさすが。しかしできれば双玉でなく、
 まとめて欲しかつた。
☆こうした使途も、模索が進むうちに、次第に違和感が消えて行くのかもしれない。


ネ−2 駒谷 秀彦氏作



掲載誌 詰パラ
出  題 2006年7月

宗看生誕300年記念曲詰






   
 
 

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