ワ行
巧妙な作意、きれいに浮かび上がる文字。
“一局で二度おいしい” あぶり出しならではの楽しさ、面白さを、じっくりとご覧ください。
巧妙な作意、きれいに浮かび上がる文字。
“一局で二度おいしい” あぶり出しならではの楽しさ、面白さを、じっくりとご覧ください。
掲載誌 詰パラ
出 題 1998年9月
結果発表 1998年12月
修正図
【 発表誌解説より 】
担当:阿部 健治
4手目55歩合は56銀、同玉、46飛、同桂、45角、65玉、43角成迄。
塚越良美−45飛、55角が山場。34角成、75飛と捌いて解後感よし。
石井 豊−収束のまとめ方は流石にうまい。
小林 徹−ごくごく普通の曲詰でした。
久後生歩−詰棋のワ。
☆捨合や打歩打開の含みが入らない曲詰は久し振り?
それでも移動合が入り、大駒もきれいに捨てて上品な仕上がりだと思います。小林氏の評
は、岡本さんだから、という前提があってのものでしょう。
梅本拓男−曲詰としての組み立てがうまい。参考にはなるが自分では作れない。
☆そんなこと言わないで是非作って下さい。重量感のある傑作が生まれそうな気がします。
☆本作、残念にも余詰成立。 3手目より(以下省略)また9手目より(以下省略 ※いずれも
修正済みです。発表図はこちら)。
双方解ー小林武雄、松崎準昭、南石信雄、福島竜胆の四氏。
☆粗検、深謝します。
☆美しい詰上りが悲しい……。
掲載誌 詰棋めいと
出 題 1995年6月
修正図
【 発表誌解説より 】
担当:森田 銀杏
24手目54玉は46桂、55玉、34桂以下
桑原清作=まず出口を塞いで駒の投げ捨て。
金子恒男=強引な邪魔駒消去。
高木優嘉=徹底した繰り返し趣向が楽しい。
金屋敏彦=銀だけでなく馬も捨ててみればヰの字。
佐藤善起=死字になったヰの字。
久後生歩=年賀詰将棋だったのでしょうか?
平松準一=年賀詰くらいでしかお目にかかれない天然記念物文字。今回では一番易しいか
も…。
秋元節三=軽い曲詰の如くだが、かなり味のある手順。
山下雅博=炙り出しには馴染み難い字型なので、桂連打で形を作るのには感心した。
千葉 肇=構体が半分出来ていて、一部分だけで仕事する。
平丼康雄=邪魔駒消去+捨合で、あっさりした仕上がり。不動駒がやや多いが…。
藤井美大=凝り形をほぐすだけ。
仲西哲男=不動駒の多いのが残念だが、37銀の消去や中合も含み手順は悪くない。
★秋元氏から東の筆頭に挙げられた、こだわり派の作者ですが、不成は卒業して(?)、近頃
は捨合入りの曲詰に没頭し始めたようです。本作はストーリーの明快さが不動駒を気にさせ
ない効果を生んでいます。
※本作は発表時の余詰を修正し、さらに14手の逆算を加えていますので、ほとんど新作と言える内容となって
います。そのため若干短評とそぐわなくなっていることをご了解ください。なお、発表図はこちらです。
掲載誌 詰棋めいと
出 題 1995年6月
改良図
【 発表誌解説より 】
担当:森田 銀杏
(イ)10手目45玉は44飛、55玉、56歩、同銀、54飛、45玉、56銀以下
(ロ)19手目55飛なら44玉、22角、43玉、53飛成、32玉(33角成、21玉、22歩、11玉、51龍、12玉…)33龍、41玉、31
角成、51玉、42馬、61玉、63龍、71玉、 53馬、81玉、83龍、91玉…で逃れ
金屋敏彦=連続馬捨てのあと、終わってみればヱの字。
桑原清作=生角に打ち換えて歩詰を乗り切る。
金子恒男=馬を角に変え、打歩詰打開と千日手回避。この作者、やはり不成があった。
佐藤次衛=角合、角生の趣向は珍しくないが、曲詰になるところが素晴らしい。
秋元節三=軽やかに華やかに、そして巧みに。
久後生歩=(イ)45玉…の変化に悩まされた。
仲西哲男=筋がいいので作意は判りやすいが、(イ)45玉…の変化で一苦労。
平井康雄=いつもながらの明快な不成と合駒入り曲詰に感心するばかり。ところで、一路左に
寄せて中央にするのは?
平松準一=一瞬、(ロ)55飛、44玉、22角…で余詰かと思ったが、9筋まで遁走する、都にならな
かったのはこの余詰防止のため?
★ご明察。曲詰は中央で作るのが原則ですが、この図の場合はやむを得ません。不成の大
家、岡本氏は最近は捨合入りの曲詰に凝っているようです。既成手順ながら、馬角変換の手
筋をうまく取り入れた爽やかな炙り出しの本局は、その作風を示す典型でしょう。
※本作は発表図の改良により、詰上りを中央に持ってくることに成功。手数も6手伸びています。
そのため解説の内容と矛盾する部分があることをご了解ください。
「ヰ」の字もそうでしたが、発表後も修正や改良を重ね、より良い作品に仕上げようとする姿勢は
ぜひ見習いたいものです。なお、発表図はこちらです。
掲載誌 詰パラ
出 題 1998年1月
結果発表 1998年4月
【 発表誌解説より 】
担当:関 半治
3手目57銀は同玉、74歩、84歩、同角成、66歩以下逃れ。
作者−3手目57銀とすると、84歩合で逃れるところがネライですが、47歩から59桂に不利感が
ないので、作品として成功しているかは疑問です。
☆確かに先に47歩が自然なので、正解者の中にも先に57銀では打診中合で逃れるということ
に気が付かなかった人もいたことでしょう。もちろん22名の犠牲者も。
市島啓樹−先に59桂を決めないと打診中合で逃れるとは信じられない。岡本真一郎ここにあ
り!
松崎準昭−隠し味の打診中合に気付いて評価を上げた。
☆ちやんと見てくれていますよ、ご心配なく。しかし、気付かない人もいるので、評価の面で多少
の損は生じますが、作者自認のことですし、彼くらいになれば評価点によって彼自身の価値
がゆらぐことはないでしょう。
武田静山−何が出てくるか予想したが、結局解くしかなかった。私のワープロでは呼出さないと
「ヲ」がでない。
永島勝利−久々に見た「不成の岡本」。懐かしいですね。「覚えていますか、そこのあなた」。
☆曲詰に目途が付いたので、不成も復活するそうです。
掲載誌 詰棋めいと
出 題 1997年6月
修正図
【 発表誌解説より 】
担当:森田 銀杏
10手目75玉は66金、同馬、同銀、74玉、83角、64玉、65角成まで
10手目香合も可。(非限定)
作者=成香を金にすると、11手目83龍、75玉、66金、同馬、同銀、64玉、82角、54玉、55銀…
の余詰。と金では合駒が非限定になる。
桑原清作=金と飛車どちらを捨てるか迷った。
竹内久祐=ンの字でオヤッと思わせる。結構難しかった。
天津包子=苦手な作者の一人。
田月伽弦=不成なしにンが出現。
久後生歩=炙り出しに中合を入れるところが凄い
梅本柘男=中合が入ったのは良いが、成香配置が厭味。
吉松智明=少し強引な手順だが、難しい字形を巧く纏めた。
平松準一=一間ずらせないのは仕方ないし、成香配置も納得。
★不成は卒業して(?)捨て合入りの曲詰を量産される作者。その器用さには感心します。
なお、香の打ち場所にしても合駒の種類にしても、この場合のような非限定は詰将棋の本質
的なことではないので、むしろ字形を中央にする方を重視したいのですが、如何でしょうか?
※本作は発表時に余詰があり、修正の際全体を一段上にずらし、成香を成桂に替えたりしているため、上記
解説・短評と内容との間に、一部矛盾が生じています。ご了解ください。なお、発表図はこちらです。